入れ歯作り
まずはお話を聞かせてください。
今のお口の悩み、入れ歯でお困りの点、ご希望などを教えて下さい。
例えば・・・唇のシワが気になる、○○がうまく食べられない、すぐ落ちてしまう、痛いところがある、歯の色が気になるなど。
お話やご要望をお伺いした上で、お口の中を確認させていただきます。
当院では、いっしょに相談をしながら、あなたにとってベストな最良の選択肢を決めていきましょう。
治療計画のご提案とご相談
お聞きした話を踏まえて、今の入れ歯や、歯がない部分の問題点を確認させていたくために、お口と入れ歯の状況を診させていただきます。
ここで、今の入れ歯が痛い原因や、合わない原因、どうしたら快適な入れ歯ができるかを見極めさせていただきます。
場合によっては、今の入れ歯を少しだけ調整するだけですむ場合もございますので、お気軽にご相談下さい。
ご説明をします
インプラントか、入れ歯か、ブリッジかの選択、また、当院で入れ歯を作製するかどうか、どの種類の入れ歯にするのか、料金はどのくらいかかるのかなどをご相談・ご説明させていただきます。 患者さんが納得して選択できるように、きちんと情報提供をさせていただきます
お口の環境を整えましょう
入れ歯を作製することが決まったら、まずは今ある歯をきれいにします。出来るだけ入れ歯が長持ちするために、お口の環境を整えることはとても大切です。
また、むし歯やかぶせ物のやり直しなど、 治療が必要な箇所があれば、一緒に治療を行います。
お口の状態によっては、意外に長くかかる場合もありますが、最高の入れ歯を作るためにも一緒に頑張りましょう!!
この型を取る作業は模型を作る過程が実は非常に重要です。
当院では、精密さにこだわり、ひとつひとつ手作業で、丁寧に行っています。
個人トレーでお口から取った型に石膏を注ぎ、入れ歯を製作するための本模型がようやくできあがります。
お口の型を取ります
お口の状態が良い状態になった後、いよいよ入れ歯作りの開始です。まず上下の歯形を取ります。 服で言うところの採寸のようなものです。
まずは、トレーを使い、口の中の型を取ります。そして、その型に 石膏を注ぎ、参考模型を製作します。
この型を取る作業は模型を作る過程が実は非常に重要です。 当院では、精密さにこだわり、ひとつひとつ手作業で、丁寧に行っています。 個人トレーでお口から取った型に石膏を注ぎ、入れ歯を製作するための本模型がようやくできあがります。
参考模型よりも歯肉の状態や歯の形が鮮明に再現されています。
完成した本模型を分析し咬み合わせを調べるための装置を作ります。
様々な機械で高さや幅を分析し、おおよその咬み合わせの高さで「ロウ提」というものを製作します。
さぁ完成しました。これを使って高さ、大きさ、歯のおおよその位置をあなたと一緒に決定します。
咬み合わせを診断します
ロウ提を使って最適な高さ・大きさなどを診断していきます。
ちょっとお時間はかかります。しかしこの作業は重要です。
私からもたくさんの質問をさせていただきます。もちろんあなたからの希望もたくさん聞かせてください!
そして残っている歯があるときには入れ歯をはずれにくくするために、さまざまな装置をつけます。
咬合器にも付きました。
お口の中の状態が再現され、いよいよ歯(人工歯)を並べます。
さまざまな歯の中から使用する形態を選択します。そして選んだ人工歯を模型上に配列していきます。
前歯だけでも大きさ、色、材質など様々な種類があります
ロウ義歯を試適します
あなただけのロウ義歯が完成しました。
しかしまだ完成ではありません。
下のような最終確認を行います。
- 審美的なチェック・・・歯の形、色など
- 適合性のチェック・・・フィットしているか、ガタつきはないか
- 発音のチェック・・・スムーズに会話できるかどうか
- 噛み合わせのチェック・・・無理なく、しっかり噛めているか
まだ完成ではありませんので、どんどん意見を聞かせてください。
ご希望に沿うように人工歯を並べなおしたり、入れ歯を小さくしたりすることが可能な場合があります。
もちろん私からも歯科治療や 保険診療の観点からご希望に対し「それはやめた方が良いですよ」 などの率直なご提案もさせていただきます。
もういちどロウ義歯を試適してみます
咬み合わせの高さ、入れ歯の大きさ、歯の大きさや色など可能な範囲での変更がある時はもう一度試適をしてみます。
あなたの体の一部になるものです。遠慮なさらずご希望やご感想をお聞かせください。
義歯を完成させます
試適に問題がなければ、いよいよ「ロウ義歯」を「レジン義歯」に置き換えます。
さまざまな工程を経てようやく完成した義歯です。
この作業は入れ歯製作の中でも最も慎重に時間を掛けて行う作業であり1日で完成できる入れ歯の数にも限りがあります。
完成までは4~5日かかります。
これはただ単に入れ歯が完成しただけです。
ここからの作業で「入れ歯」から「体の一部の臓器」へと変えていきます。
完成・調整
きれいに磨かれた入れ歯を装着します。
【完成した総入れ歯】
左:外したところ
右:装着したところ
審美的、適合性、かみ合わせ、発音、維持力の最終チェックを行います。
入れ歯を入れた直後はまだ慣れておりませんので、多少の違和感や痛みがあることがあります。
しかし正しく作った入れ歯の調整により、必ずよくなります。
この調整という作業を経てようやく入れ歯に魂が入るのです。
当院の入れ歯にはしっかりと魂が入っています。
調整(1回目)
入れ歯には違和感があります。誰にでもわかる事ですが、どの程度なのかは実際に自分自身がやってみないとわからないものです。
入れ歯を靴に例えると良くわかります。
例えば60歳になって生まれてはじめて靴を履いた人がいたとしま しょう。とても違和感があるはずです。
はじめての入れ歯はそれと似ています。
靴を60歳まで履いたことがない日本人はあまりいないかもしれませんが、未開の地で裸足で暮らしている人もいると思 います。その人にピッタリの皮靴をつくってあげて「さあ 履いて ごらん」と言うと、きっとその人は「なんだこれ!こんな物履いたら痛いし、歩きにくいよ!」と言うと思います。40年、50年、 靴なしで生活していたら、はじめての靴はきっとしめつけられ窮屈に感じるでしょう。靴に慣れていない人は、「靴をはいたら歩けないよ」と言うでしょうが、靴に慣れた我々は「靴がなければ歩けないよ」と言います。
入れ歯も同じなのです。
入れ歯をはじめて入れた人は「こんなの入れたら食事しづらいよ」と言うでしょうが、もう使いこなしている人は「入れ歯がないと食事しづらい」ときっと言います。要は慣れなのです。慣れなければない方がいいと思うし、慣れてしまえばあった方がいいのです。
最初の違和感をガマンしてのりきれば、「靴がないと歩けない」と同じ様に絶対必要で頼りになるものなのです。入れ歯は違和感を乗り越えて挑戦する心が必要なのです。
「私は入れ歯に慣れるかしら?」ではなく、「よし!入れ歯に挑戦してにものするぞ!」という心が必要なのです。
当院は挑戦する心もサポートしていきます! いっしょにがんばりましょう!!
調整(2回目)
「入れ歯師」と「口中医」の違い
「入れ歯師」は、入れ歯作り専門でした。
歯を抜いたりムシ歯などの治療を行う者のことは「口中医」や「歯医者」と呼ばれ、「入れ歯師」とは区別されていました。
「入れ歯師」は香具師(てきや・やし)の組織に属していました。
当時の歯医者さんである「口中医」は一般医学を修得して、口腔疾患・咽喉疾患が中心で、抜歯も行っていましたが義歯を作ることはありませんでした。
「入れ歯師」が「口中医」と全く違うところは、 医学的専門教育を全く受けていなかった点でしょう。 親方に弟子入りし修行をしていたのです。
これは仏師などの流れが影響していたのかもしれません。
ですから彼らの技術は修行で身に付けた知識と経験によるもので、秘伝ともいえるものだったのです。
室町末期から江戸初期に台頭してきた「入れ歯師」は、江戸中期頃には広く全国で営業するようになり「口中医」にかかれない庶民に親しまれた大衆的な存在になっていたそうです。
後ろにいるのは衛生士さん?
ぴったり合った入れ歯で漬物やお肉、イカやタコなどの弾力のあるものも食べられるようになり、入れ歯が外れる心配をしないで思い切り話すことができます。
また当院の入れ歯は、あまりに違和感が無いので夜も外さずにお休みになって頂けます。
入れ歯はまさに身体の一部です。どうぞ大切におつかい下さい。